約92億円の累積損失が判明した農水ファンド、
『農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)』が、
注目されています。
その『A-FIVE』が、2018年に約3億円を出資した会社が、
『どぶろく居酒屋』を出店する予定だったところ、
いまだに開業のめどすら立っていないと、
話題になっています。
この、『どぶろく居酒屋』を開業しようとしている
会社は、どこの会社なのか?
気になる方もいるはずです。
このページでは、
2018年に『A-FIVE』から出資を受けた会社はどこなのか?
本当に、約3億円の出資を受けているのか?
お伝えしていきます。
農水ファンドに関しては、以下にも関連記事がございます。
併せてご覧ください。
●関連記事
A-FIVEから出資を受けた会社は?
2018年1月に、『A-FIVE』から、
約3億円の出資を受けたとされる企業は、
『株式会社津々浦々(つつうらうら)』です。
この会社は、『A-FIVE』他、計4社の出資の元、
2017年12月21日に、設立されています。
ただし、約3億円の出資を受けたというのは、
マスコミの印象操作の側面があると見ています。
何かと失敗続きの、『A-FIVE』ですから、
その金額は、大きいほうが話題になりますからね。
実際に『A-FIVE』から、出資されている金額は、
『1億4,700万円』なのではないかと思います。
その点を解説します。
出資されている金額は1億4,700万円?
『株式会社津々浦々』の資本金は3億円で、
先述のとおり、計4社から出資を受けています。
このことは、
出資者の中に、上場企業の子会社が含まれているため、
その上場企業から、プレスリリースされていてた書類により、
判明しました。
プレスリリースより抜粋
大株主及び持株比率は、次のとおりです。
●資本金 300百万円(3億円)
●大株主及び持株比率
A-FIVE | 49.0% |
株式会社フジオファーム | 25.0% |
まるき葡萄酒株式会社 | 25.0% |
株式会社ファーマーズフォレスト | 1.0% |
以上の4社が、出資して、
『株式会社津々浦々』は設立されました。
このとおり、『株式会社津々浦々』の資本金は3億円で、
『A-FIVE』からの出資金は49%になっています。
そのため、『A-FIVE』からの出資金は、『1億4,700万円』になります。
なぜ、出資金が約3億円と、なっているかというと、
『A-FIVE』からの出資金の、上限が『2億9700万円』と
定められているため、約3億円と報道されているのではないかと
考えられます。
●以下、『株式会社フジオフードシステム(2752)』による、
プレスリリースされた、
子会社『株式会社フジオファーム』出資により設立される
合弁会社「株式会社津々浦々」の概要になります。
(1)名称 | 株式会社津々浦々 |
(2)所在地 | 東京都千代田区 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 村上忠範 |
(4)事業内容 |
・国内生産者が連携し、国産農産物を活用した飲食事業の展開 ・加工品の製造販売等 |
(5)資本金 | 300 百万円(当社払込完了後、資本準備金含む資本の額) |
(6)設立年月日 | 2017年12月 |
(7)大株主及び持株比率 | 先述のとおり |
(8)当社および株式会社フジオファームと当該会社との間の関係 | 特筆すべき資本関係・人的関係・取引関係はございません。 |
出資に関して批判されている点について
出資に関して、批判されている点に関しては、
次のようなことがあげられます。
報道ステーションの報道によると、
内部資料によると、事業計画では、どこに店を開くのかすら決まっておらず、出資を決めた会議では『場所も決まっていない。投資判断が出来ない』と、指摘されていた
とのことでした。
先ほどの、プレスリリースを出していた上場企業は、
『株式会社フジオファーム』の親会社『フジオーフードシステム』ですが、
この会社は、今年1月に上場1部に昇格した会社で、
『まいどおおきに食堂』や『串家物語』など、グループ全913店舗も
出店している企業です。
出店するための物件情報は、常に集めていますし、
出店するためのノウハウも、日本でトップクラスのはずです。
そのため、『どぶろく居酒屋』に関して、場所も決まっていないというのは、
それほど大きな問題とも思えません。
子会社の『株式会社フジオファーム』が実施することが、
プレスリリースには書かれているのですが、
それには、
『情報発信型レストラン事業への連携と、運営』を、
することが書かれています。
親会社が『フジオーフードシステム』ですから、
身近にモデリングできる企業があるわけです。
出店する場所が決まっていなかったことは、
それほど、問題ではなかったといえます。
どぶろく居酒屋が進まないのはなぜか?
毎日新聞の記事によると、次のように、書かれています。
機構が2018年1月に約3億円の投資を決めた食品製造加工販売会社の事業が滞り、主軸のレストラン事業の開業のめどすら立っていない。
食品製造加工販売会社の事業が滞りと、あります。
このとおり、事業は、『どぶろく居酒屋』だけではありません。
『株式会社津々浦々』の事業は、主に次の3つを主軸としています。
- 食品会社へのコンサルティング事業(シェアリング事業)
- 地域産品の食品販売支援事業(マーケットプレイス事業)
- 外食事業(どぐろく製造設備併設の醗酵を軸にした情報発信型レストラン)
このように、『どぶろく居酒屋』は、3つの主軸事業のうちの
1つにしか過ぎません。
ネット上の意見では、次のようなものがありました。
3億円も出資して、居酒屋開業できないの?
確かに、マスコミの記事を読むと、
『どぶろく居酒屋』に3億円を出資したと、思われても仕方ないですが、
決して、『どぶろく居酒屋』だけをやっているわけではなく、
『株式会社津々浦々』は、
『食品会社へのコンサルティング事業』などを行っています。
どぶろく居酒屋の出店に関しては進んでいませんが、
他の事業は進んでいるようなので、
問題は、その事業でしっかりと、利益を出しているのか?
では、ないでしょうか?
しかし、『株式会社会社津々浦々』の業績に関しては、
開示されていませんでした。
そのため、他の事業で、利益を出せているのかは、
わかりません。
今後に期待しましょう。
さいごに
このページでは、
2018年に『A-FIVE』から出資を受けた会社はどこなのか?
本当に、約3億円の出資を受けているのか?
お伝えしました。
出資を受けている会社は、
『株式会社津々浦々』で、
『A-FIVE』からの出資金の上限は、『2億9,700万円』と、
決まっているものの、
設立時の『A-FIVE』からの出資は、『1億4,700万円』でした。
また、
3つの主軸事業の1つとして、『どぶろく居酒屋』の計画は、
進んでいないようですが、
今後に期待して、見守っていけたらと思います。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。