2019年6月、
中高年の引きこもりが、話題になっています。
『川崎登戸の殺傷事件』や、
元事務次官による、『長男殺人事件』など、
中高年の引きこもりに関連する事件が、
起きていることで、
話題になっているのでしょう。
そこで、中高年の引きこもりって、
どのくらいいるのだろう?と、
考える人もいるはずです。
それについては、
内閣府の調査で、61万人と、推測されています。
このページでは、
内閣府が調査した、『中高年の引きこもり』について、
さらに、詳しくお伝えしていきます。
中高年の引きこもりの人数は61万人
内閣府は、2018年12月、
『中高年のひきこもり』について、調査をしました。
その調査によると、
『中高年の引きこもり』の人数は、61万人といいます。
中高年の引きこもりの定義は、
どのようになっているのでしょうか?
中高年の引きこもり(ひきこもり)の定義
内閣府は、ひきこもりを、次のように定義しています。
●引きこもりの定義
自室や家から、ほとんど出ない状態に加え、
趣味の用事や、近所のコンビニ以外に、
外出しない状態が、6カ月以上続く場合。
過去の同様の調査では、専業主婦や主夫は、含めませんでしたが、
今回の調査では、家族以外との接触が少ない人は、
ひきこもりに含めています。
調査の仕方
調査の仕方は、以下のようになります。
2018年12月、全国で無作為抽出した、
『40~64歳の男女5,000人』に、訪問で実施しました。
その中から、3248人が回答し、そのデータを基に、
人口データを掛け合わせて、全体の人数を推計しています。
調査結果
調査内容は、以下のとおりです。
- 引きこもりの状態になった年齢
- ひきこもりになったきっかけ
- 引きこもりの期間
- 暮らし向きは?
それぞれ、次のような結果になりました。
ひきこもりの状態になった年齢
ひきこもりに該当したのは、回答者の1.45%
ひきこもりになった年齢は、
60~64歳が17%で、最多です。
詳細は以下のとおりです。
●ひきこもりになった年齢
60~64歳 | 17% |
25~29歳 | 14.9% |
20~24歳 | 12.8% |
40~44歳 | 12.8% |
55~59歳 | 10.6% |
45~49歳 | 8.5% |
50から54歳 | 8.5% |
その他、無回答 | 14.9% |
ひきこもりなった年齢については、
20~24歳も13%ほどで、大きな偏りはありません。
引きこもりになったきっかけ
ひきこもりになったきっかけは、
『退職』が最多の36.2%で、
以下、『人間関係』『病気』と続きます。
詳細は、以下のとおりです。
●ひきこもりになったきっかけ
退職した | 36.2% |
人間関係がうまくいかなかった | 21.3% |
病気 | 21.3% |
職場になじめなかった | 19.1% |
就職活動がうまくいかなかった | 6.4% |
※40~64歳、内閣府の調査による
きっかけについて、
40~44歳の層では、
就職活動の時期に、ひきこもりが始まった人が、
目立つようです。
これに対して、
内閣府の担当者は、
いわゆる就職氷河期だったことが、影響した可能性もある
との見方を示しています。
男女比は?
男女比の割合は、7割以上が男性となっています。
ひきこもりは、
男性の方の割合が多いんですね。
ひきこもりの期間はどのくらい?
ひきこもりの期間は、7年以上が、半数を占めています。
「3~5年」が、21%で最多でとなり、
7年以上となる人が、合計で約5割を占めています。
中には、「30年以上」という人が、6%ほどいました。
子供の頃から、ひきこもりの状態が続く人や、
定年退職により、社会との接点を失うケースがあるようです。
暮らし向きは?
引きこもりの人たちの、
暮らし向きを、上・中・下の3段階で聞いたところ、
3人に1人が、下を選択しました。
家の生計を立てているのは、
- 父母34%
- 自身30%
- 配偶者17%
- 生活保護9%
となっています。
自身で生計を立てている方が、30%もいらっしゃるんですね。
調査結果からわかること
今回の調査により、
中高年の引きこもりの人数は、61万人と推定されました。
これまでの調査で、15~39歳の引きこもりの人数が、
推計54万1,000人のため、
ひきこもりの高齢化や、長期化が鮮明になりました。
調査時期の違いなどはありますが、
内閣府では、『15~39歳』のひきこもりを合わせた総数は、
100万人を超えると見ています。
また、
悩み事に関しては、『誰にも相談しない』という回答が、
4割を超えました。
中高年層を対象にした、ひきこもりの調査は、
今回が初めてということで、
内閣府の担当者は、次にように、話しています。
「40歳以上のひきこもりの人もいると国が公認することで、支援が必要なのは若者だけでないという認識を広げたい」
「若者とは違った支援策が必要だ」
この問題は、難しい問題ですね。
さいごに
このページでは、
2018年12月に、内閣府が調査した、
『中高年の引きこもり』について、
詳しくお伝えしました。
中高年の引きこもりの人数は、61万人と推定されて、
これまでの調査で、15~39歳の引きこもりの人数が、
推計54万1,000人います。
そのため、ひきこもりの総数は、
100万人以上はいるようです。
そんななか、
ひきこもりの高齢化や、長期化が鮮明となりました。
ひきこもりに関しては、
コミュニケーションがうまく取れないことが、
問題だと考えます。
ひきこもっていても、しっかりと
他人とのコミュニケーションを取り、
信頼できる人間関係を作っていれば、
問題はないと思います。
ひきこもっていても、30%の方は、
ご自身で生活費を稼いでいますし、
そのような方は、比較的、うまくやっているのでは
ないかと思います。
それよりも、収入がなくなってしまったり、
自分の自信をなくしたりすることの方が、
問題だといえるでしょう。
今後は、生活のあり方、スタイルをしっかりと
考えていく時期に来ていますね。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。