2020年4月14日(火)、年金を受け取り始める年齢を75歳までに、
繰り下げることが可能になる、『年金改革関連法案』が、
衆院本会議で、審議入りします。
これは、現行の繰り下げ受給の上限年齢が70歳になっているところを、
75歳に引き上げることが出来るようになる法案です。
そこで、
「そもそも、75歳まで生きる確率って、どのくらいあるの?」
と、気になる方もいるはずです。
このページでは、
年金を受け取る年齢が75歳まで、繰り上げることが出来るようになっても、
「75歳まで、生きていられるのか?」と、疑問に思う方に、
日本における、男女別の生存率をお伝えします。
日本人が75歳まで生きる確率は?
結果から、お伝えしますと、
日本の男女が、75歳まで生きる確率は、以下のようになります。
性別 | 75歳まで生きる確率 |
女性 | 88.1% |
男性 | 75.6% |
このように、女性の場合は『88.1%』ですので、
100人いれば、88人は、75歳まで生きていられることになります。
男性の場合は、『75.6%』ですので、
100人のうち、75人は、75歳まで生きていられることになります。
つまり、男性の場合は、4人のうち3人が、75歳まで生きていられるというわけです。
逆に言うと、
男性の場合は、4人いれば、1人は75歳までに死んでしまうことになります。
日本人の年齢Xまで生き残っている確率は?
それでは、日本人の以下の年齢
- 40歳
- 65歳
- 75歳
- 90歳
- 95歳
までの、生存確率は、どのくらいなのかというと、
それは、以下のとおりです。
性別・年齢 | 40歳 | 65歳 | 75歳 | 90歳 | 95歳 |
女性 | 99.0% | 94.5% | 88.1% | 50.5% | 26.0% |
男性 | 98.4% | 89.5% | 75.6% | 26.5% | 9.6% |
このデータからは、日本人女性は、90歳の時点で、生存率が『50.5%』となり、
半分の方がお亡くなりになります。
男性の場合は、『26.5%』ですので、
4人に1人しか生きていられないことがわかります。
あくまで、確率上の話になりますが、男性の場合は、
年金の受給開始が遅くなると、不利になる傾向がありますね。
日本人の平均寿命は?
令和元年7月30日公表の、厚生労働省からの資料によると、
2018年においての日本人の平均寿命は、
女性『87.32歳』
男性『81.25歳』
となっていて、これらの数字は、過去最高を更新しています。
厚生労働省の資料より
この日本人の平均寿命は、世界の国・地域で見ると、
女性は世界2位、男性は世界3位となっていて、
世界1位は、男女ともに香港で、
女性『87.56』歳、男性『82.17』歳になります。
このように、平均寿命を見てみますと、
男性は75歳から年金を受け取ったとしても、
それほど、長い期間受け取ることができないとわかります。
年金受給年齢を75歳に引き上げる法案とは?
ここからは、あらためまして、
年金受給年齢を75歳に引き上げる法案について、解説していきます。
2020年4月14日(火)に、衆院本会議で審議入りした、
『年金改革関連法案』のひとつに、
『年金の繰り下げ受給の上限年齢を現行の70歳から75歳に引き上げる』と、
いうものがあります。
これは、例えば、
年金の受け取り開始年齢を、標準となる65歳から繰り下げて、
70歳からの受給開始にもできますし、72歳でも、最大で75歳からでも、
年金の受け取り開始年齢を、決めることができるというわけです。
そして、
支給開始を、本来の65歳から10年間遅らせることにより、
支給開始額は、最大で84%増えることになるといいます。
よくある誤解に、「年金を受け取る年齢が75歳からになってしまうのか?」
と、いうものがありますが、
そうではなく、65歳でも、70歳でも、75歳からでも、65歳~75歳の間で
選ぶことが出来て、このように年金を繰り下げて受給すると、
年金が増額されるという仕組みです。
現行の年金受給年齢の法律は?
これまでの年金の支給開始は、65歳を基準として、
繰り上げた場合は、60歳から、繰り下げた場合は、70歳からと、
この10年間から選べました。
今回の法案により、年金の受給開始年齢は60歳~75歳の間の
15年間から選ぶことが出来るようになります。
ちなみに、現行の制度で、年金受給開始を65歳から年金受給を開始するのと、
70歳から年金を受給開始するのでは、65歳からの需給と比較して42%増額されます。
年金が84%増える?
先述のとおり、
年金の支給開始を、本来の65歳から10年間遅らせて75歳からにすることにより、
支給開始額は、84%増えることになります。
現行の上限70歳での場合は、42%増額でしたので、
5年間の受給開始の繰り下げで、増額分も倍になる計算です。
年金を繰り下げ受給したときの増額率
先日のとおり、年金の受給開始を65歳を基準に75歳からにすると、
年金支給額は84%増額されます。
それでは、75歳以外の年齢から年金の受給を開始すると、
どのくらい増額されるのかというと、それは、以下のとおりです。
65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 | 71歳 | 72歳 | 73歳 | 74歳 | 75歳 |
0% | 8.4% | 16.8% | 25.2% | 33.6% | 42% | 50.4% | 58.8% | 67.2% | 75.6% | 84% |
さいごに
このページでは、
年金を受け取る年齢を、75歳まで繰り上げることが出来ても、
「75歳まで、生きているのか?」と、疑問に思う方に、
日本における、男女別の生存率をお伝えしました。
男性と女性と比べると、
男性の方が長生きできないことがデータからわかります。
日本人男性が、75歳まで生きることが出来る確率は、『75.6%』なので、
4人に1人は、75歳まで生きることができません。
つまり、年金の受け取り開始年齢を75歳からにしてしまうと、
4人に1人は年金を全く受け取ることが出来ないわけです。
このように、年金を少しも受け取ることが出来ないなんてことがないように、
ご自身の健康状態を踏まえた上で、年金受給開始の年齢を決めたいものですね。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。