『パプアニューギニア』の東部に位置する、
『ブーゲンビル』自治州が、独立して、
『新しい国家』になるかもしれません。
ブーゲンビル島
新しい国家が誕生するのは、
2011年に、分離独立をするかしないかの住民投票を行い、
分離独立票が、98.83%もの圧倒的多数となり、独立が決まった、
『南スーダン共和国』以来となります。
(2015年のニウエは、自由連合国のニウエを、日本政府が国家として認めた)
2011年の『南スーダン共和国』以来の、新しい国家となるかもしれない、
『ブーゲンビル』について、興味のある方もいるはずです。
このページでは、『ブーゲンビル』の場所や、
『ブーゲンビル』が新しい国になるための住民投票について、
詳しくお伝えします。
ブーゲンビルとは?
『ブーゲンビル』とは、2019年11月現在は、
『ブーゲンビル自治州』となっており、
『ブーゲンビル島』と周辺の小島の事を指します。
人口は約25万人で、
面積は、約10,000㎞²と、ソロモン諸島の中で、最大の面積になります。
ブーゲンビル島の場所はどこ?
ブーゲンビル島は、冒頭でもお伝えしたとおり、
南太平洋の『パプアニューギニア』の東部にあります。
このように、『パプアニューギニア』の南には、
『オーストラリア』がありますね。
ブーゲンビル島と日本の関係
『ブーゲンビル島』は、第二次世界大戦中に、
『アメリカ』『オーストラリア』『日本』などによって占領されました。
1942年には、『オーストラリア』の管理下にあったところを、
『旧日本軍』が占領します。
それにより、この地域では、連合国軍と激戦を展開しました。
『ブーゲンビル島の戦い』として、記録も残っています。
1943年に、連合艦隊司令長官であった、
『山本五十六(やまもといそろく)』の搭乗機が、
ここ『ブーゲンビル島』の上空で撃墜されて、戦死しています。
ブーゲンビルの歴史
ブーゲンビルの歴史を簡単に振り返ります。
1768年
1768年、フランスの探検家『ブーガンヴィル』が、
この島の沿岸を航海しました。
それにより、のちに彼の名前が、島につけられました。
1885年
1885年、『ドイツ帝国』の植民地となり、
『ドイツ領ニューギニア』の一部となりました。
1914年
1914年には、『第一次世界大戦』により、
『オーストラリア』が占領します。
1918年
1918年には、国際連盟により、オーストラリアの委任統治領となります。
1939~1945年
先述のとおり、1939~1945年の第二次世界大戦中は、
『アメリカ』『オーストラリア』『日本』によって占領されます。
『ブーゲンビル島』は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの、
各軍にとって重要な航空基地となります。
1975年
1975年には、国際連合の働きかけにより、
『パプアニューギニア』の一部として独立を果たしました。
その後も、
ブカ島を含むブーゲンビル州において、独立運動が続いています。
1988年~
1988年からは、島の銅山をめぐる利益配分に対し、
地元住民が反発したのを機に、約10年間の内戦が続きます。
政府軍と、反政府勢力の計2万人が死亡しています。
2001年
2001年には、和平協定が結ばれ、
自治政府成立から10~15年後に、
『独立の是非をめぐる住民投票』を実施する規定がされました。
2019年
2019年11月、『独立の是非をめぐる住民投票』が、行われます。
ブーゲンビル・独立の是非をめぐる住民投票
2019年11月23日から、約2週間の日程で、
『ブーゲンビル自治州』の、『独立』か『自治拡大』かを問う、
住民投票が行われます。
登録者は20万人以上
投票するために、登録した人数は、20万人以上おり、
投票は、12月7日までに、約800カ所の投票所で順次行われます。
結果は、12月中旬に発表される見通しです。
ブーゲンビルの独立はあるのか?
今回の、投票の結果、『パプア政府』と、『自治州政府』が協議したのちに、
パプア政府側が最終的に地位を決定します。
このように、投票結果に拘束力はないようです。
投票が、独立支持派が多数を占めた場合でも、
財政がパプア政府に依存している現在の状況では、
独立には課題が多いなど、最終決定するまでには、時間がかかると見られています。
ただし、
現状は、独立支持派が優勢とみられていて、
新国家が誕生する可能性はあるとの見方が、優勢です。
日本政府の1億円の援助も!
日本政府は、
太平洋島しょ国と、関係強化を図っているため、
今回の投票に、約1億円の無償資金協力を表明しています。
日本の外務省は、地域の安定を重視し、次のようにコメントしています。
「投票後も引き続き支援する」
投票後の覇権争いに巻き込まれるも!?
投票後は、『アメリカ』『中国』の、
覇権争いに巻き込まれる可能性もあるようです。
最近、南太平洋では、中国が影響力を強めていると言います
これに対して、『ブーゲンビル』と、歴史的につながりの深い、
『オーストラリア』や『アメリカ』などがけん制しています。
この問題に対して、
ロイター通信によると、以下のように報道がされています。
資金不足でブーゲンビル自治州の住民投票の実施が危ぶまれた際、中国が関与しようとしたという。中国は住民投票後の同自治州に存在感を高める狙いがあるとみられ、投票後の状況次第では米中の覇権争いに巻き込まれる事態も予想される。
さいごに
このページでは、『ブーゲンビル』の場所や、
『ブーゲンビル』が新しい国になるための住民投票について、
詳しくお伝えしました。
新しい国家が出来る可能性があり、
『ブーゲンビル』が、日本と少なからずつながりがあるなんて
知りませんでした。
独立することになっても、自治拡大になったとしても、
そこに住む、住民のみなさんのためになると良いですね。
新しい国家の誕生となるのか?
11月23日から始まった『住民投票』に注目です!
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。