2019年7月6日(土)に
57kg級レスリングの『世界選手権』代表(9月)の切符をかけて、
『伊調馨』選手とプレーオフ試合で対戦をする、
『川井梨紗子』選手が、注目されています。
今年9月に行われる世界選手権で、メダルを獲得すると、
2020年東京オリンピックの出場権を得られることもあり、
実質、このプレーオフが、東京オリンピックをかけた
戦いになるわけです。
そんな、世紀の戦いを前に、『川井梨紗子』選手について、
「どのような選手なのか?」気になる方もいるはずです。
このページでは、
レスリング一家に育った『川井梨紗子』のプロフィールや
経歴について、お伝えしていきます。
川井梨紗子(かわいりさこ)プロフィール
名前 | 川井梨紗子(かわいりさこ) |
生年月日 | 1994年11月21日 |
年齢 | 24歳(2019年) |
出身地 | 石川県津幡町 |
身長 | 160cm |
体重 | 57kg |
中学 | 津幡町立津幡中学校 |
高校 | 至学館高校(愛知) |
大学 | 至学館大学(愛知) |
経歴
1994年、『川井梨紗子』さんは、レスリング一家の元に生まれます。
父親の『川井孝人』さんは、グレコローマンレスリングの、
学生チャンピオンでした。
そして、母親の『川井初江』さん(旧姓:小滝)は、
1989年に、世界選手権53kg級で、7位になっています。
このような、レスリング一家に生まれた、梨沙子さんは、
小学校2年の時に、母親がコーチを務めている、
『金沢ジュニアレスリングクラブ』に通い始めます。
標語に『一所懸命』の金沢ジュニアレスリングクラブ
のちに、それに続いて、
妹の『友香子』さんと、『優梨子』さんも、
レスリングを習い始めることになります。
こうして、さらにレスリング一家と、なっていきました。
家族構成は『梨紗子』『友香子』『孝人』『優梨子』『初江』になります。
梨紗子さんが、『金沢ジュニアレスリングクラブ』で、
習っていた時のことを、
母親の『初江』さんは、次のように語っています。
自分の娘を贔屓(ひいき)しているとは、思われたくなかったため、
他の生徒以上に、厳しくしていた。
このような、厳しい指導の甲斐があってか、
梨紗子さんは、小学校6年の時には、
全国少年少女レスリング選手権大会33kg級で、
2位と活躍をします。
津幡町立津幡中学校時代
津幡中学3年の時には、
全国中学生選手権52kg級で優勝をします。
その後、2010年に、『至学館高校』に進学します。
●至学館高校時代
2年生の時には、
ジュニアクイーンズカップカデットの部と、
全国高校女子選手権で、優勝をしました。
そこからさらに、
世界カデット選手権でも、優勝をしています。
全日本選手権51kg級では、
阿部学院高校2年の『宮原優』さんに、敗れて、
惜しくも、3位にとどまってしまいました。
3年生の時には、全日本選抜に出場します。
その、2回戦では、
かつて母親のチームメイトだった、
元世界チャンピオン『山本美憂』選手と戦うことになりました。
そして、彼女を破ります。
そんな、『山本美憂』さんとは、今でも、交流があり
メールで連絡を取り合っている、といいます。
さらに、決勝では、
当時小倉商業高校3年の『入江ななみ』さんを破り、優勝をします。
この優勝により、世界選手権の代表に選ばれます。
その後、
全国高校女子選手権では、56kg級で優勝を果たしました。
しかし、
世界選手権では、2回戦でインドの『クマリ・バビタ』選手に、
フォール負けをしていまい、7位で終わってしまいました。
次の、全日本選手権には、55kg級に階級を上げて出場します。
迎えた準決勝で、日本大学の『村田夏南子』さんと対戦しますが、
1-1で迎えた第3ピリオドで、5点差でリードしながらも、
ラスト1分を切ってフォール負けをしてしまい、3位に終わりました。
こうして、高校でのレスリング生活を終え、
2013年に、至学館大学に進学します。
至学館大学時代
ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部では、
『村田夏南子』選手を2-1で破って優勝しました。
全日本選抜では、
準決勝で『村田夏南子』選手にフォール負けを喫して3位にとどまります。
このときの優勝は、『吉田沙保里』選手(ALSOK)でした。
世界ジュニア選手権では、準決勝まで、全てフォール勝ちで進みます。
決勝では、テクニカルフォール勝ちを決めて優勝を飾りました。
その後の、全日本選手権には、59kg級に階級を上げて出場します。
このときは、準決勝で『伊調馨』選手に、テクニカルフォールで敗れてしまい
3位に終わります。
2014年のワールドカップでは、
全勝(4勝)して、団体戦のチーム優勝に貢献しました。
2年になり、
ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部で2連覇を達成すると、
アジア選手権58kg級でも、優勝を果たします。
しかし、
全日本選抜では、決勝で、またしても、
『伊調馨』選手に敗れてしまいます。
世界ジュニアでは、59kg級に出場すると、
なんと、全試合テクニカルフォール勝ちで決めて、
昨年の55kg級に続く、2階級制覇を果たしました。
2015年3月の、ワールドカップは、
またしても、全勝(4勝)で、チームに貢献して優勝します。
その後、周囲からの勧めもあり、
『伊調馨』選手を避けて、2階級上の63kg級で、
2016年リオデジャネイロオリンピックを目指します。
6月の全日本選抜では、決勝で、
アジアチャンピオンの『渡利璃穏』選手(アイシン・エィ・ダブリュ)を破り、
初優勝を成し遂げました。
その後、全日本の合宿における参考試合で、
前年の全日本選手権で優勝した、『伊藤友莉香』選手を破ったことも踏まえた上で、
世界選手権代表に選出されます。
9月の世界選手権では、初戦から、前年の世界チャンピオンである、
『ユリア・トカチ』選手(ウクライナ)を、3-0で破り、
63kg級では、初めての国際大会であるにも関わらず、
決勝まで進みます。
しかし、その決勝では、
ロンドンオリンピック銅メダリスト
『バトチェチェグ・ソロンゾンボルド』(モンゴル)選手に、
フォール負けをして、2位にとどまります。
このとき、2位になったことで、
12月に行われる全日本選手権に出場さえすれば、
規定により、2016年リオデジャネイロオリンピック代表に、
内定することになりました。
そこで、12月の全日本選手権では、1階級下の60kg級に出場します。
決勝では、当時、至学館高校3年の妹『川井友香子』選手と対戦します。
そこで、妹を10-0のテクニカルフォールで破り、
2016年リオオリンピック代表が決定しました。
2016年2月のアジア選手権は、63kg級で出場し、優勝を飾ります。
●リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得!
2016年8月18日の、リオデジャネイロオリンピックでは、
2回戦、『モニカ・ミハリク』(ポーランド)選手を5-0で破り、
準々決勝では、『アナスタシア・グリゴリエワ』(ラトビア)選手を8-2で、破ると、
準決勝では、『イナ・トラジュコワ』(ロシア)選手を、
開始2分でテクニカルフォール勝ちします。
そして、決勝では、『マリア・ママシュク』(ベラルーシ)選手を6-0で破って、
この階級では、国際大会3度目の出場にして、
オリンピックの金メダルを獲得しました。
優勝直後には、大学の監督でもある、『栄和人』氏を、
2度ほど投げつけるパフォーマンスを見せて、その光景が海外でも話題になりました。
9月4日には、オリンピックでの活躍が評価されて『県民栄誉賞』を受賞します。
石川県の県民栄誉賞の受賞は、
野球の『松井秀喜』氏、柔道の『松本薫』選手に続いて、
3人目の快挙となりました。
さらに、11月には、『紫綬褒章』を受章しています。
12月の全日本選手権では、階級を58kg級に戻して出場すると、
決勝で、元55kg級世界チャンピオンの『浜田千穂』選手(キッコーマン)を破って、
優勝しました。
2017年3月、至学館大学を卒業しました。
ジャパンビバレッジ所属時代
卒業後、所属をジャパンビバレッジとした『川井梨紗子』選手は、
階級を60kg級に変更して、5月に、オリンピック以来の国際大会となる
アジア選手権に出場して、3度目の優勝を飾ります。
6月の全日本選抜選手権では、
決勝で、『坂野結衣』(警視庁警察学校)選手を相手に、
テクニカルフォールを決めて優勝し、
最優秀選手の『明治杯』を受賞しました。
8月の世界選手権では、
決勝で、『アリソン・レーガン』(アメリカ)選手を、
13-0のテクニカルフォール勝ちで破り、初優勝を飾ります。
さらに、12月の全日本選手権では、
新階級の62kg級に出場して優勝を飾りました。
このときは、妹の『川井友香子』選手(至学館大)も、59kg級で優勝し、
姉妹そろっての、全日本戦選手権優勝となりました。
2018年3月、ワールドカップでは、全勝(3勝)して、
日本チームの優勝に貢献します。
6月には、全日本選抜選手権の59kg級に出場して優勝しました。
前年12月の全日本選手権ではこの階級で妹が優勝していたために、
7月には、妹とのプレーオフにより、世界選手権代表が決まるはずでしたが、
妹が、今大会では62kg級で優勝したためにプレーオフは行わずに、
59kg級で、世界選手権代表に決まりました。
その世界選手権は10月に行われ、
59kg級、で『川井梨紗子』選手は優勝し2連覇を達成します。
妹の『川井友香子』選手は、62kg級で出場し、2位の結果でした。
8月のアジア大会では、62㎏級に出場するも、
準決勝で、
63㎏級の世界チャンピオンである『プレブドルジ・オルホン』(モンゴル)選手に、
フォール負けを喫して3位に終わります。
これにより、
2015年の世界選手権決勝で敗れた後、続いていた、連勝記録は、
31で途切れてしまいます。
しかもその後、『プレブドルジ』選手のドーピング違反が発覚します。
12月の全日本選手権には57㎏級に出場して、
一次リーグで『伊調馨』選手と、
オリンピックチャンピオン同士による対戦になりました。
この1次リーグでは、
2-1で破り、日本選手として17年ぶりに伊調選手に勝利しました。
しかし、決勝では、
2-1でリードしながらも、終了間際に2ポイントを取られて、
2-3で逆転負けを喫してしまいます。
結果、2位として終わってしまいました。
2019年6月の全日本選抜選手権では、
決勝で『伊調馨』選手を6-4で破って優勝します。
このとき、2度目の『明治杯』を受賞しました。
これにより、
前年12月の全日本選手権で勝った『伊調馨』選手とプレーオフで、
世界選手権代表を争うことになりました。
●7月6日(土)追記
『伊調馨』選手対、『川井梨紗子』選手のプレーオフは、
period2を終えて、
3-3の同点だったものの、
ルール上、『川井梨紗子』選手の勝ちとなりました。
これにより、『川井梨紗子』選手の、
9月の世界選手権出場が決まりました。
このプレーオフを制して、
9月に行われる世界選手権でメダルを獲得すると、
2020年東京オリンピックへの出場が決まります。
さいごに
このページでは、
レスリング一家に育った『川井梨紗子』のプロフィールや
経歴について、お伝えしました。
レスリング一家の長女として、生まれた
『川井梨紗子』選手、
2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、
金メダルを獲得して、石川県の県民栄誉賞も受賞しています。
まだ、24歳で、今後も楽しみな選手です。
また、姉妹もレスリング選手として、活躍しているため、
『友香子』さんと『優梨子』さん、合わせた3姉妹の活躍も楽しみです。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。