2019年10月11日(金)、
気象庁は、12日(土)に東日本に接近する、大型で非常に強い台風19号に対して、
『大雨特別警報』を発表する可能性があると、記者会見で述べました。
この『大雨特別警報』について、
「どのような警報なのか?」
「どのくらいすごい雨が降るのか?」
など、思った方がいるはずです。
このページでは、
『大雨特別警報』について、
『大雨特別警報』が発表される基準と、
過去に起きた『台風』を例に、実際に起こった被害を
お伝えしていきます。
大雨特別警報って、何だろう?
『大雨特別警報』とは、どのような警報なのでしょうか?
気象庁では、台風や集中豪雨によって、
数十年に一度の降雨量が予想され、大雨になりそうな場合、
『大雨特別警報』を発表するとしています。
大雨特別警報の基準
『大雨特別警報』は、次のような基準を設けています。
現象 | 特別警報の基準 |
大雨 | 台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、
若しくは、 数十年に一度の強度の台風や、同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合 |
要するに、『雨による基準』と『台風による基準』があるわけです。
これら、『雨による基準』と『台風による基準』を詳しく見ていきます。
雨による特別警報の基準(指標)
『雨による特別警報の指標』としては、
以下の2つの指標があります。
●48時間降水量及び土壌量指数において、50年に一度の値以上となった、
5㎞格子が、共に50格子以上まとまって出現。
●3時間放水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値となった、
5km格子が、共に10格子以上まとまって出現(ただし、3時間降水量が150mm以上となった格子のみをカウント対象とする)。
これらを満たすと予想されて、さらに雨が降り続くと予想される場合に、
『大雨特別警報』が発表されます。
要するに、『気象庁』では、
観測データを用いて、50年に一回程度発生すると推定される
『降水量』と『土壌雨量指数』の『50年に一度の値』を求めて、
この基準に達したら、『大雨特別警報』が発表されることになります。
格子とは?
『格子(こうし)』とは、
天気予報を見ると、気象データにある下のような図のことです。
●50年に一度の48時間降水量
上記の、『拡大図』のように、気象庁では、
5km格子ごとに、
50年に一度の値を算出しています。
各地方ごとの50年に一度の気象データ
先述した、『50年に一度』の気象データは、
『各地方』ごとに、
- 『48時間降水量』
- 『3時間降水量』
- 『土壌雨量指数』
を、毎年更新しています。
例えば、以下の図が、『東京地方』と『神奈川県』の
『50年に一度の値』になります。
このように、毎年更新される、
『50年に一度』の気象データを基が、指標となっているわけです。
ここで、先の基準をもう一度、見てみます。
『48時間降水量』及び『土壌量指数』において、50年に一度の値以上となった、
5㎞格子が、共に50格子以上まとまって出現。
『50年一度の値』の5㎞格子が、50格子以上まとまって出現すると、
『大雨特別警報』が発表されます。
台風による特別警報の基準(指標)
次に、『台風による特別警報の指標』を見ていきましょう。
台風による指標は以下のとおりです。
『伊勢湾台風』級(中心気圧930hPa以下または最大風速50m/s以上)の、
台風や同程度の温帯低気圧が来襲する場合に、特別警報を発表します。
ただし、沖縄地方、奄美地方および小笠原諸島については、中心気圧910hPa以下または、最大風速60m/s以上とします。
と、なっています。
台風の方は、分かりやすいですね。
中心気圧930hPa以下、または最大風速50m/s以上の
台風が来る場合に、『大雨特別警報』が発表されます。
次に、上記の指標を満たした『伊勢湾台風』級の台風の
過去に合った事例をお伝えします。
過去の主な台風事例
『大雨特別警報』が発表される基準を満たし、
過去に発生した主な台風と、被害状況は、以下のとおりです。
台風の名称 | 上陸時の中心気圧 | 上陸日・上陸場所 | 主な被害 |
室戸台風 | 911.6hPa | 昭和9年9月21日 高知県室戸岬の西 |
死者・行方不明者3,000人以上 負傷者14,000人以上 住家被害9万棟以上 床上・床下浸水40万棟以上 |
枕崎台風 | 916.1hPa | 昭和20年9月17日 鹿児島県枕崎市付近 |
死者・行方不明者3,700人以上 負傷者2,400人以上 住家被害8万棟以上 床上・床下浸水27万棟以上 |
第2室戸台風 | 925hPa | 昭和36年9月16日 高知県室戸岬の西 |
死者・行方不明者202人 負傷者4,900人以上 住家被害6万棟以上 床上・床下浸水38万棟以上 |
伊勢湾台風 | 929hPa | 昭和34年9月26日 和歌山県潮岬の西 |
死者・行方不明者5,000人以上 負傷者30,000人以上 全半壊15万棟以上 床上浸水15万棟以上 |
平成5年 台風第13号 |
930hPa | 平成5年9月3日 鹿児島県薩摩半島南部 |
死者・行方不明者48人 負傷者396人 全半壊1,784棟 床上浸水3,770棟 |
明日、2019年10月12日(土)に
東日本に接近する『台風19号』は、中心気圧が『925hPa』になります。
これは、『伊勢湾台風』よりも、強い台風です。
『伊勢湾台風』の時代は、昭和34年ということで、
現在よりも建築や、道路整備の分野がことなるはずです。
そのため、
さすがに、『死者・行方不明者5,000人以上』とはならないでしょう。
しかし、『平成5年の台風第13号』は、割と最近ですが、
僕の住んでいる土地の周辺では、土砂崩れがありました。
そのため、かなりの注意が必要だと思います。
さいごに
このページでは、
『大雨特別警報』とは何か?
『大雨特別警報』が発表される基準と、
過去に起きた『台風』を例に、実際に起こった被害を
お伝えしました。
僕は、『伊勢湾台風』の体験はありあせんが、
『平成5年の台風第13号』は、まだ記憶に新しいところです。
この時は、風が本当に強かったです。
周りで土砂崩れがおきて、電車も走れなくなりました。
その台風よりも、さらに強い台風が、来ようとしているということで、
今回は、家の周りのものを、片づけたりと、
台風の対策をしています。
みなさんも、これぐれも、お気を付けください。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。