2019年6月19日(水)、
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)のドラマー、
『庄村聡泰(さとやす)』さんが、
精密検査の結果、『局所性ジストニア』の診断を受けたことにより、
当面の間、ライブ活動を休止することを発表しました。
『局所性ジストニア』とは、どのようなものなのか？
ドラマーの『庄村聡泰(さとやす)』さんを、心配な人がいるはずです。
このページでは、
『局所性ジストニア』について、
症状や、原因、治療法などについて、
お伝えします。
局所性ジストニアとは
局所性ジストニアの症状
『局所性ジストニア』では、
ある特定の動きを行うときにだけ、
その動きに必要な筋肉が過度に収縮したり、
意図とは別の筋肉が動いたりします。
例えば、『局所性ジストニア』を発症している『ピアニストの脳』では、
運動を制御する部位の運動野から筋肉への出力が影響を受けて、
動かしたい指が動かない、
もしくは、
動かさなくてもよい指の動きを止められないという症状が出ます。
どのような職業がなるのか？
『局所性ジストニア』は、
どのような職業の、どの部位で発症するのかというと、
音楽家に多いといいます。
主な職業と部位は、次のとおりです。
- ピアニストの指
- ギタリストなど弦楽器奏者の指
- 管楽器奏者の唇
- ドラマーの足
- 歌手の喉
これらのように、
頻回に使い、細かい動きを必要とする部位ならば、
どこででも発症するのが特徴です。
作曲家のシューマンは、
この疾患により、ピアニストをあきらめたといわれています。
また、音楽家以外ですと、
『美容師』や『漫画家』の手にも起こるようです。
つまり、
細かい動きを繰り返し行うことがある職業の人は、
なりうるということでしょう。
発症の理由は？
『局所性ジストニア』の発症の理由はさまざまで、
ピアニストの例では、次のような傾向があったといいます。
- 習慣的に4時間以上の練習を続けていた場合
- 演奏法を変えたり、指導者を替えたりした直後
- 7〜8歳以後にピアノを始めた人
- 難しい曲への挑戦を好む人
- 手指の腱の間の結合が太い人
- 家族にも局所性ジストニアの人がいる場合
など、発症しやすい事例があります。
僕は、趣味で歌を歌ったり、セッションに参加したり
するのですが、
ここ1，2年、喉の調子がおかしいと思っていました。
しかし、
どうも、細かい動きの調整が出来ていないような気もして、
この『局所性ジストニア』について、知り、
割と当てはまるかもしれないと思いました。
なお、『局所性ジストニア』は、
即興で演奏することもある、『ジャズピアニスト』には、
ほとんど見られないこともわかっています。
発症率はどれくらい？
音楽家全体でみると、発症率は2％程度と推定されています。
ただし、発症していても、気づかれないケースがあるといいます。
それは、この疾患自体が、それほど知られていないことが理由で、
医師による、誤診もあるそうです。
例えば、
ピアニストでは、指を高速で動かすと症状が出ます。
しかし、医師はピアニストの指の速い動きは、見にくいため、
ゆっくりとした動きで診断しようします。
そのため、健常な指に症状が出ていると誤診することもあるわけです。
そのようなこともあり、
診断や治療が遅れて、演奏家生命が断たれてしまうケースもあるということです。
治療法は？
『局所性ジストニア』の治療法のは、以下のような治療法があります。
- 薬物療法
- リハビリテーション
- 過度に収縮する筋肉へのボツリヌス毒素の注射
- 鍼治療
- 脳の深部に電極を入れる手術
これらの、治療法が行われています。
しかし、いずれの治療法も、
日本を含む、アジアの地域では、専門医の数が限られているようです。
例えば、上記した、
ボツリヌス毒素の注射は、正確に筋肉を探り当て、
そこに適切な量の毒素を入れるという、特別なスキルが必要になります。
新しい治療法も！？
また、比較的新しい、治療法として、
ソニーコンピュータサイエンス研究所の、
リサーチャー・文部科学省 卓越研究員『古屋晋一』氏が、
上智大学 理工学部 情報処理工学科、准教授時代に開発した治療法があります。
それは、
『経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)と、リハビリテーションを、
組み合わせる方法で、その治療法が有効だと言います。
tDCSと、リハビリテーションを組み合わせる方法は、
体に傷をつけずに、副作用がなく、繰り返し実施できるという特徴があり、
『局所性ジストニア』の治療に、適しているそうです。
『古屋晋一』氏は、自らも3歳からピアノを始め、
国内のコンクールで入賞するなどの実績を上げて、プロを目指していたといいます。
しかし、大学生のときに練習中に手を痛めたことにより、プロになるのを断念しました。
それ以来、ピアノ演奏における脳と身体の機能について研究を重ねてきました。
これまで、多くの音楽家からの相談を受けており、
日本でも潜在的に『局所性ジストニア』の患者が多いのではないかと、
実感していたそうです。
『古屋晋一』氏は、
上智大学 理工学部 情報処理工学科、准教授時代の、
2014年に、『小島あゆみ』さんの取材に対して、
次のように答えています。
「日本では音楽家に起こりやすい疾患を専門に研究したり診療したりする機関がなく、プロの音楽家や音楽大学の教員などの間でも関心が高くありません。私が研究しているハノーファー音楽演劇大学では、音楽家のためのクリニックが併設され、音大生への教育や心理カウンセリングも効果を上げています。生体力学のような工学、生理学や神経科学、整形科学といった医学、心理学と芸術学が連携して、日本で音楽家の技能の熟達や生活の質の向上を支援する音楽演奏科学の研究所を創るのが夢です」
『古屋晋一』氏は、心理的なストレスの面からも、研修しており、
アマチュアを含めた、音楽家のみなさんが、
安心して演奏を続けられるようになるには、
『古屋晋一』氏のこれまでの研究や、治療法が必要になるでしょう。
僕自身、この治療法は気になりましたね。
さいごに
このページでは、
『局所性ジストニア』の
症状や、原因、治療法について、
お伝えしました。
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)のドラマー、
『庄村聡泰(さとやす)』さんは、
当面の間、ライブ活動を休止することを発表しました。
治療にはある程度の時間が必要だとのことです。
ここは、じっくりと治療して、完治してもらいたいですね。
また、戻ってきて、
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)のドラマーとして、
活躍していただきたいです。
さいごまで、お読みいただきありがとうございました。
